2025秋以降の環境について – ベイブレードX

はじめに

10月より公式大会で使用されるスタジアムがBX-10 エクストリームスタジアムからインフィニティスタジアム(BX-46 バトルエントリーセット∞)に変わりました。
公式のアナウンスでは2026年1月とありますので、試用期間として各大会での状況を見てその後の大会でのスタジアムを検討するのだと思います。
https://twitter.com/tbh_pr/status/1966336938216140896

最近の販売ベイや10月15日に発表された新ベイから今後の環境について考えてみます。
なお、私の観測範囲はレギュラー大会が中心のため、オープン大会では環境が異なる可能性があります。

9月時点での印象

9月まではエクストリームスタジアムが主流となっており、1on1ではコバルトドラグーンやシルバーウルフ、スコーピオスピア等をスタミナカスタムにしているベイが中心です。
アタックタイプや上位環境に入っていないベイはたまに見る程度でした。
8月に発売されたシャークスケイルもスタミナカスタムで見ることがあります。

3on3になればファニックスウイング、エアロペガサス、シャークスケイル等のアタックタイプも増えてきます。
また、3on3ではウィザードロッドも使えますので使用率が上がります。

スタミナカスタムで1on1を勝ち抜き、3on3でスタミナカスタム+アタックといった組み合わせが多いです。

インフィニティスタジアムについて

インフィニティスタジアムでは、自滅によるオーバーフィニッシュがとても多いです。
その理由として、いくつかの要因が考えられます。

オーバーゾーンが左右に増えたため
今までは壁にぶつかって助かっていたケースもオーバーになります。

バトルゾーンとオーバーゾーンの段差
エクストリームスタジアムではバトルエリアからオーバーゾーンの間に数ミリの段差があったが、インフィニティスタジアムでは段差がありません。
エクストリームラインの上に乗ってしまうと、そのままオーバーゾーンに入るケースが増えます。

エクストリームラインの角度
角度が急になっており、しっかりとギヤがかみ合っていないとエクストリームラインを抜け、そのままオーバーゾーンに入ります。

レギュラークラスの特性
参加者は6歳~12歳で子供のシュートパワーではリバースも難しく、正確なシュートが出来る子も少ないので、エクストリームスタジアムに比べて自滅オーバーによる試合が多くなります。(大人のパワーであれば、リバースや激しいぶつかり合いが多いのかもしれません)
シュートパワーが控えめなブレーダー同士のバトルでは弾き合うパワーも少ないので、自らフルパワーでアタックしようとして激しく動けば動くほど自滅リスクが高くなります。

オーバーゾーンの参考画像

エクストリームスタジアム

赤四角で囲った部分がオーバーゾーンとバトルゾーンの間にある段差。

インフィニティスタジアム

エクストリームラインからオーバーゾーンへの段差が無く、ギア部分も急角度。

今後の予測

10月15日、新商品「CX-11 エンペラーマイトデッキセット」および「CX-10 ブースター ウルフハントF0-60DB」が発表されました。
エンペラーマイトは、ワルキューレボルトに続く2つ目のメタルロックチップを搭載しており、アシストブレードにもメタル素材が使用されているため、重量級ベイとして設計されています。
ウルフハントは、フリー回転式のアシストブレードを採用しており、高い“いなし性能”が期待されます。

これらの新製品の傾向や、11月にウィザードロッドの殿堂入りが解除される動きから、今後の環境は重量級ベイが主流になると予測されます。かつては最上位ベイとして君臨していたウィザードロッドですが、現在の重量環境では吹き飛ばされやすく、オーバーされやすい構造となっており、優位性が低下したことが解除の背景にあると思います。

メタルロックチップは上部に重量が集中するため、相手の体勢を崩すようなシャークスケイル(自滅リスクあり)などのアタックタイプや、耐久戦を意識したクロックミラージュ(バーストリスク高)などがメタとして台頭する可能性があります。ただし、これらはいずれも明確な弱点を抱えているため、1on1での勝率を重視する場合は、エンペラーブラストW/F/Hに4-50LOといった低重心構成や7-60FBといったエクストリームラインで走りにくいFBが採用されていくと予測します。

おわりに

個人的な感想ですが、レギュラークラスはエクストリームスタジアムの方が適していると感じます。
シュートがまだ上手に打てない初心者ブレーダーが自滅オーバーしてしまい、リバース待ちで回転が止まるまで悲しそうな表情でベイを見つめている姿を見ると、インフィニティスタジアムはレギュラークラスの年齢層には少し難しい印象を受けます。

レギュラークラスではエクストリームスタジアムを中心に、オープンクラスではインフィニティスタジアムを使用するという使い分けの方が、より適切ではないかと思います。

ベイの環境も、かつてのウィザードロッド一強時代とは異なり、強みや弱みが明確なパーツが増えてきており、戦略の幅が広がって面白い環境にはなってきています。
だからこそ、初心者層はベイブレードの本来の楽しさを味わって欲しいと願っています。
ぶつかり合いのない自滅オーバーばかりの試合よりも、ぶつかり合った末にスピンフィニッシュで敗北する方が、悔しさの中にも納得があり、次につながる経験になると思います。